自己嫌悪
めくらの男は静かに見てる
自分の似顔絵 描いてもらって
似てるとひとことつぶやいている
あなたの目と目よ 涙でにじめ
病の男は淋しく見てる
あまりに薄い日めくりの紙
つきそう子供はたじろぎもせず
あなたの体よ 天までとどけ
眠れぬ男はばんやり見てる
明日とよべない自分の朝を
たばこの煙は線を描いて
あなたは息づく事がないのか
歌えぬ男はおびえるばかり
明日の仕事は南か北か
ここまでおいでと誰かの声が
どこまでゆくのだ 貧しい足で
カテゴリ : 1973「氷の世界」 登録日 : 2006年03月08日 23:50