氷の世界
窓の外ではリンゴ売り、声をからしてリンゴ売り
きっと誰かがふざけてリンゴ売りのまねをしているだけなんだろ
僕のTVは寒さで画期的な色になり
とても醜いあの娘をグッと魅力的な娘にしてすぐ消えた
今年の寒さは記録的なもの、こごえてしまうよ
毎日、吹雪、吹雪、氷の世界
誰か指切りしようよ、僕と指切りしようよ
軽い嘘でもいいから、今日は一日、はりつめた気持でいたい
小指が僕にからんで、動きがとれなくなれば
みんな笑ってくれるし、僕もそんなに悪い気はしないはずだよ
流れてゆくのは時間だけなのか、涙だけなのか
毎日、吹雪、吹雪、氷の世界
人を傷つけたいな、誰か傷つけたいな
だけど出来ない理由は、やっぱりただ自分が恐いだけなんだな
そのやさしさを秘かに胸にいだいている人は
いつかノーベル賞でももらうつもりでガンバッてるんじゃないのか
ふるえているのは寒さのせいだろ、恐いんじゃないネ
毎日、吹雪、吹雪、氷の世界
カテゴリ : 1973「氷の世界」 登録日 : 2006年03月08日 23:49