あかずの踏切り

目の前を電車がかけぬけてゆく
想い出が風にまきこまれる
思いもよらぬ速さで 次々と電車がかけぬけてゆく
ここはあかずの踏切り

踏み切りのむこうに恋人が居る
あたたかいごはんのにおいがする
ふきこぼれてもいいけど 食事の時間はのばして欲しい
ここはあかずの踏切り

電車は行く先を隠しているし
僕には調べる余裕もない
子供は踏切りのむこうと、こっちとでキャッチボールをしてる
ここはあかずの踏切り

相変らず僕は待っている
踏切りがあくのを待っている
極彩色の色どりで次々と電車が走ってゆく
ここはあかずの踏切り

カテゴリ : 1973「氷の世界」 登録日 : 2006年03月08日 23:44