神無月にかこまれて
人恋しと泣けば十三夜
月はおぼろ淡い色具合
雲は月を隠さぬ様にやさしく流れ
丸い月には流れる雲が ちぎれた雲がよくにあう
風がさわぐいまや冬隣り
逃げる様に渡り鳥がゆく
列についてゆけない者にまた来る春が
あるかどうかは誰も知らない ただひたすらの風まかせ
神無月に僕はかこまれて
口笛吹くそれはこだまする
青い夜の空気の中に 生きてるものは
涙も見せず笑いも忘れ 息をひそめて冬を待つ
カテゴリ : 1972/12「センチメンタル」 登録日 : 2006年03月08日 23:38