2005年07月15日
井上陽水「パンキー・ロカビリー」
CDアルバム『カシス』(2002年)で「パンキー・ロカビリー」を聴いた。作詞/井上陽水 作曲/井上陽水・平井夏美 編曲/美久月千晴・村田陽一(ブラス)
今日こそ仕事をひとつ終わらせるつもりだった。手をつければ1時間かそこらで終わるはずなのに、気持ちが向かない。テストの前に小説に手が伸びたり、普段はしない片付けをする学生時代から、人間は変わらないということか。ネットをうろうろしていて、目についた頁が「目指せ!クラプトン全曲レビュー」。タイトルどおり、エリック・クラプトンの曲の解説を毎回一曲づつ書いておられるのだが、時系列的な位置付け、曲と演奏の特徴など、実にハイレベルで、その上、クラプトンに詳しくないわたしも聴きたいと思ってしまうわかりやすい文章だ。(筆者:ジェイ加藤さん)。こんなレビューが書けたらなあと思っが、耳元で♪どだいムリなことだ~(「手引きのようなもの」)と声が。あきらめて今日の選曲はこの歌。
♪イカレた目が決め手 長い鎖巻いて
♪叫びの言葉は すべてがカタカナ
♪喧嘩まで ため息ばかり
「ロカビリー」とタイトルにあるから、曲については何も書かなくてもすむという、ずるい考え。「パンキー」、パンクっぽい?日本語にはしにくいですね。
♪多国籍で燃えて 若いくせに醒めて
♪奴隷の体で くたばりきるまで
♪踊らせて クラブのバルコニー
こうして読んでみると、どきっとするほどシニカルな詞だ。何をイメージして書いたのだろうか?
♪トカゲの手で触れて オカルトげに抱いて
♪ガラにもないほど 傷つくこころで
♪逃げるのは まぬけなハムスター
「すべてがカタカナ」と一節目で皮肉りながらカタカナを多用するのが陽水流。韻のために選んだような解釈しにくい詞の中に「傷つくこころ」などの言葉を滑り込ませて、なんとなくわかった気にさせる。これも陽水流。
♪全部 眺めは 思い出ばかり
さて、読む限りではシニカルなこの歌だが、曲は陽気である。バックにブラスがはいっている。ブラスってプラスの作用がありますよね(いや、語呂合わせではなく)。すっかり楽観的な気分になって、仕事は明日に延ばされたのであります。
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CDアルバム『カシス』(2002年7月)FLCF-3906
投稿者 蒼木そら : 23:06 | コメント (9) | トラックバック
2005年07月07日
井上陽水「You Are The Top」
CDアルバム『カシス』で「You Are The Top」を聴いた。作詞/三谷幸喜・井上陽水 作曲/井上陽水・平井夏美 編曲/井上陽水・平井夏美。2002年発売の『カシス』はオリジナルでは最新のアルバム。
昨日のミュージカルつながりでこの曲を。2002年に上演された、三谷幸喜作の舞台「You Are The Top~今宵の君」の劇中歌である。ミュージカルとはよばないかもしれないが、歌ありダンスありの喜劇。「モーツァルト!」に出ている市村正親も出演していた。
♪見上げれば キリがなく
♪日々夜毎の めぐりあい
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♪You Are The Top You Are The Top
♪稀に見るよなご尊顔
ロマンチックに歌いはじめられるが、やがて踊りだしそうなリズムに。覚えやすいメロディは、劇を観た帰り道で口ずさむ者多数。ステップを踏みながら歩く人もいたとか。
讃えられる「君」を演じていたのは、戸田恵子。出演者はあと浅野和之の3人だった。
♪You Are The Top 君こそ
♪ま、そんなこと言っちゃって、Love
大人の恋は、冗談まじりの中に真実がある。
≪お願い≫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
井上陽水コンサート2005 6月16日根室市総合文化会館 でのセットリストを 教えてください!
「コメント」欄にご記入いただければ、ありがたいです。
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CDアルバム『カシス』(2002年7月)FLCF-3906
投稿者 蒼木そら : 23:37 | コメント (15) | トラックバック
2005年06月24日
井上陽水「都会の雨」
えー、東京が江戸と申しました頃から、面白い芝居は庶民の楽しみのひとつでございまして、昨今ですとテレビドラマなどどいうもので、手軽に楽しめるわけでございますが・・・・。
今夜はTBS系の金曜日のドラマ『タイガー & ドラゴン』が最終回だったので、落語口調を真似しているわけでございます。一週間心待ちするドラマにはあまりお目にかかれない中で、これは楽しみにして観た。
落語のある演目でドラマの一回が作られている、工夫をこらした快作。マスコミにも何度か取り上げられ、寄席に行く若者が増えているそうだ。
(脚本/宮藤官九郎 出演/長瀬智也・岡田准一・西田敏行ほか、どちらさまも力演好演でございました)
そのドラマ、東京は浅草、青山、新宿あたりが舞台なので、こじつけになるが、CDアルバム『カシス』で「都会の雨」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/井上陽水・平井夏美。
♪都会の雨が やさしく降るね
♪嘆きのように 胸に染み込むね
しっとりとした歌です。
♪長引く恋が 嫌いだなんて
♪一人の夜も 好きじゃないくせに
テーマとしては、違うドラマでしたね、ありそうな。
♪雨のリズムが 涙にあわせ
♪別れの唄は あまくせつないね
季節的にはあっておりましたようで・・・。
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「井上陽水コンサート2005」の全日程25会場のうち昨日6月23日北海道稚内で23箇所終了し、あと2会場。 6月27日(月)岡山。28(火)鳥取。それで、おしまい。
日程と連絡先は「井上陽水公式サイト」のSheduleに載っています。
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CDアルバム『カシス』(2002年7月)FLCF-3906
投稿者 蒼木そら : 23:55 | コメント (1) | トラックバック
2005年04月15日
井上陽水「この世の定め」
CDアルバム『カシス』(2002)で「この世の定め」を聴いた。作詞・作曲・/井上陽水 編曲/井上陽水・村田陽一(ブラス)。この曲もキリンビバレッジの聞茶のCM曲。先行MAXIシングル(2001年)もあり、カップリングはこの曲のInstrumentalと「毛がに」「名古屋食べ物事情」。
2005年4月現在『カシス』はオリジナルでは最新のアルバムだが、発売からもう3年経っている。しかし実を言うと、この曲などは、まだ消化できていない。
♪過ちは この世の定め
♪三日月は あの世のカナメ
タイトルからの予測に反して、テンポの速い乾いた曲。音のバランスに違和感を覚えるのは、きっと私の音感と再生装置が悪いから。
♪まぼろしだけが
♪恋の世のブルー・バード
さまざまに受け取れる歌詞である。恋の歌のようでもあり、世相を映しているようでもあり、居直っているようでもある。
♪愛する目に会わせて
♪もう少し 手で抱きしめて
♪逃げても すぐ TELEPHONE
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「井上陽水コンサート2005」の全日程25会場が発表になり、4月17日に舞鶴で開幕します。うち3会場では”弾き語り!”
「今日も井上陽水」でのリクエストはどのくらい叶えられるのか、余興に予想してみます。下記の提案曲のイタリック表記13曲が一回でも演奏されれば5点、他の曲は1点の得点とします。何回演奏されても、5点と1点。満点は81点。
筆者の予想は、7点 です。
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「井上陽水コンサート2005」勝手に提案セット・リスト
29 Good,Good-Bye
27 招待状のないショー 28 結詞
25 Final Love Song 26 あなたを理解
23 自然に飾られて 24 能古島の片想い
21今夜 22 悲しき恋人
19 ワカンナイ 20あかずの踏切り'76
17 移動電話 18 Yellow Night
15 いつもと違った春 16 ライバル
13 青い闇の警告 14 迷走する町
11 白い一日 12 EVERY NIGHT
9 つめたい部屋の世界地図 10 ラブレターの気分で
7 青空、ひとりきり 8 嘘つきダイヤモンド
5 長い坂の絵のフレーム 6 とまどうペリカン
3 テレビジョン 4 結局 雨が降る
1 イミテーション・コンプレックス 2 全部 GO
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CDアルバム『カシス』(2002年)FLCF-3906
CDシングル『この世の定め』(2001年)FLCF-7001
投稿者 蒼木そら : 23:42 | コメント (11) | トラックバック
2005年03月06日
井上陽水 「Final Love Song」
CDアルバム『カシス』(2002)と『Blue Selection』(2002)で「Final Love Song」を聴いた。作詞・作曲・編曲/井上陽水。シングルCD『Final Love Song』2002年4月発売。c/wは「ヤギのミルク」。
本人が出演したキリンビバレッジの聞茶のCM曲。いいCMだった。昨日の「能古島の片想い」が、原点のようなlove songなら、こちらは到達点か。例によって逐語訳が難しい詞で、聴くものはおそらく、それぞれの感慨をもって聴く。
♪星のない星空で
♪あかりを探すなら
また
♪沈みあうスピードで
♪指輪をなくすより
と、否定的な語句が暗示するのは、やはり幸福な恋ではあるまい。
それぞれに
♪僕のほうが少しいいよ
また
♪罪のほうが指にいいよ
と続いて、やや暗い状況での運命的な出会いを想わせる。
そして、一転
♪唇と 燃える胸で HOLD YOU
♪ニコラソン
「ニコラソン」?造語でしょうか。
最後は、もう暗示ではない。
♪夢見る限り さまよう先にまで
♪この世がすべて 終わるまで
言いきり、歌いきって終わる。実に切ない。
『カシス』と『Blue Selection』、切なさは前者に強く、後者はピアノ(小島良喜)も共に歌って美しい。
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「井上陽水コンサート2005」勝手に提案セット・リスト
25 Final Love Song
23 自然に飾られて 24 能古島の片想い
21 今夜 22 悲しき恋人
19 ワカンナイ 20 あかずの踏切り'76
17 移動電話 18 Yellow Night
15 いつもと違った春 16 ライバル
13 青い闇の警告 14 迷走する町
11 白い一日 12 EVERY NIGHT
9 つめたい部屋の世界地図 10 ラブレターの気分で
7 青空、ひとりきり 8 嘘つきダイヤモンド
5 長い坂の絵のフレーム 6 とまどうペリカン
3 テレビジョン 4 結局 雨が降る
1 イミテーション・コンプレックス 2 全部 GO
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『カシス』(2002年7月)CD:FLCF-3906
『Blue Selection』(2002年11月)CD:FLCF-3919 アナログ:FLJF-9529
投稿者 蒼木そら : 23:48 | コメント (3) | トラックバック
2005年02月12日
井上陽水「結局 雨が降る」
CDアルバム『カシス』で「結局 雨が降る」を聴いた。作詞/井上陽水 作曲/井上陽水・平井夏美 編曲/平井夏美
昨日に続き、である。リクエストを考えると、『カシス』を聴くことになる。コンサートで全部を、と言いたいが、そうもいかないのだろうか。
「結局 雨が降る」は聞きやすい曲である。軽快でキッパリとしている。
♪勇気を持って大人になって
♪そのうち 雨が降る
こう明るく言い切られると、覚悟も決まるというものだ。何があってもやって行くしかない、って気持ちになる。
「あこがれはメモリー 絶対」と始まる2節目が好き。
コンサートに向けて、リクエスト(4)
「結局 雨が降る」
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CDアルバム『カシス』(2002年7月)FLCF-3906
投稿者 蒼木そら : 23:18 | コメント (10) | トラックバック
2005年02月11日
井上陽水「テレビジョン」
CDアルバム『カシス』で「テレビジョン」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/BANANA U-G
『カシス』は、たとえばここ2,3日聴いていた『Negative』のような統一された印象はない。落ち着きよりむしろ新しさがある。
「テレビジョン」では、珍しく直接的な皮肉が詰まった歌詞をラップ風に歌っている。
♪ニュースキャスター、番組のコスト、大学の花形ひとりふたりでも 悩みのテレビジョン
昨日「全部GO」で書いた低い声の魅力は、この曲について言うべきだったのだ。硬質の声が、乾いた人工的なリズムに乗って、ブラウン管(なんです。うちはまだ)の向う側を想わせる。
コンサートに向けて、リクエスト(3)
「テレビジョン」
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CDアルバム『カシス』(2002年7月)FLCF-3906
投稿者 蒼木そら : 23:41 | コメント (7) | トラックバック
2005年02月08日
井上陽水「イミテーション・コンプレックス」
CDアルバム『カシス』で「イミテーション・コンプレックス」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/井上陽水・宮崎一哉
『カシス』は2002年7月に発売された、オリジナルでは最新のアルバム。だが、その11曲のうち、映画、CM、演劇で使われた3曲しか、発売以降のコンサートで歌われていないと思う。(間違っていたらすみません)
もしかして、新しい曲は歓迎されないと・・・?あるいは理解されないと・・・?
「井上陽水空想ハイウェイAct2」(NHK)で、高田渡、加川良、三上寛、友部正人たちのおよそ30年以上前の歌を聴いたとき、このひとたちは、いまどんなことを考えているのだろう、今の歌を聴きたい、と思った。
井上陽水のコンサートに来る人たちも、そうなのではないだろうか。もちろん、昔夢中になった曲を、何年または何十年ぶりで聴く。それは嬉しいに違いない。でも同時に、いまの陽水を感じたいはずだ、きっと。
井上陽水の歌詞には、逐語訳をするとさっぱりわからないものが多いが、この「イミテーション・コンプレックス」もそのひとつ。
♪恋の数を正確に決めて レイプする令嬢
とか
♪身に余るラブロマンス もだえ苦しむレンブラント
とか、この意味を述べよと国語の試験にでたら、私はお手上げだ。ラブロマンスは見え隠れするのだけれど、結局
♪恋は全部、イミテーション
オリジナルな恋は、いまはないのだと?
コンサートに向けて、リクエスト(1)
「イミテーション・コンプレックス」
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CDアルバム『カシス』(2002年7月)FLCF-3906
投稿者 蒼木そら : 23:36 | コメント (11) | トラックバック
2005年01月28日
井上陽水「決められたリズム」
CDアルバム『カシス』で「決められたリズム」を聴いた。作詞・作曲・編曲:井上陽水
2002年の日本映画各賞をさらった山田洋次監督の映画「たそがれ清兵衛」(松竹・2002年11月公開)の主題歌でもある。
ちまちました仕事に飽きて、窓の向うの晴れた空を見ていた。学校帰りの子供たちが外を通って行く。寒いのにふざけたりおしゃべりしたり。
帰りの電車で読む本の世界も、暗くて閉ざされている。骨を集める男とそれを追う鑑識捜査の話。微細な証拠の検査、暗い湿った場所を好む男。無理に読むことはないのに、やめられない。
こんな一日の終りに、心を解放したいと思った。空に深呼吸をするように。
♪大空に歌声 決められたリズム
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CDアルバム『カシス』(2002年7月)FLCF-3906
CDシングル
『飾りじゃないのよ涙は』FLCF-7055、『森花処女林』FLCF-7052 でも聴けます。
投稿者 蒼木そら : 23:42 | コメント (11) | トラックバック
2005年01月24日
井上陽水「森花処女林」
CDアルバム『カシス』で「森花処女林」を聴いた。作詞/作曲:井上陽水
『カシス』(2002年7月)は、オリジナルでは現在最新のアルバム。
フジテレビ系で2002年7月~9月に放送された、ドラマ「ランチの女王」の劇中歌である。男優陣が豪華(自分的には)のわりに・・・・・・なドラマだったが、舞台の洋食屋のオムライスはおいしそうだった。
タイトルの読み方がわからなかたっけ。「もりはなしょじょりん」だなんて、誰が読む?こっそり「オムライスのテーマ」と名づけていたり。
♪浮かべてフェミニン
とか
♪ハチミツ魔女湾
とか、リアリティのない言葉、やわらかな言葉が集められ、メロディもゆったりと、聴いていると、非現実なのに知っているような地図が浮かび上がる。
会社のそばのデパ地下にお昼の調達に行ったら、いつものおにぎり屋さんにオムライスがあって、つい買ってしまった。留守番しなきゃならないから仕方がなかったけど、いくら温めてもだめですね、オムライスの持ち帰りは。
ところで、公開中の映画「ネバーランド」はどうしようかな?
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CDアルバム『カシス』FLCF-3906