2012年06月17日

井上陽水「ハトが泣いてる」

  たしか鳩の歌があったなぁと思って検索したのだが、「鳩」だめ、「鳴いている」だめ、アンドレ・カンドレのシングルもはずれ。結局『断絶』にあった。熱心なファンの方ならたちどころに答えるだろうに。言い訳めくがふつうは知らないと思う。次の曲「白い船」のほうが有名らしい。

  家のベランダに鳩の巣らしいものがあったのが、5月の下旬で。隣の方から妙に鳩が多いから調べてと言われて発見した。小枝を集めて積み上げてあった。わたしは気にしないが、近所で迷惑ならと巣らしいものを捨てた翌日、その場所に卵がひとつコロンとあった。

  かわいそうに!もう1日撤去を待てばよかった。どうしようか。捨てられないよね。思い惑ううちに卵は隣にあるカラーボックスの最下段に移され(どうやって?!)母鳥が抱き始めたではないか。留守に見ると、なんと卵が二つに増えている。いまや害鳥扱いの彼らだが、こうなったらこっそり見守るしかない。

  近所の小学生一家が見に来て、うちに来てくれたらよかったのになんて言っている。「あんまり見ちゃダメ」「いま目があっちゃった」「目があうってどういうとき?鳩が横を向いているとき?」などと喧しい。

  昨日会津若松から戻って見ると、割れた殻が見えた。やっぱりダメだったのか、巣を捨てちゃってごめん。
  そして今日、母鳥の下に薄い黄色の動くものが!孵ったの?よかった。元気で育ちますように。

  さてこの「ハトが泣いてる」、前向きの曲が少ないとご本人も言う見本のようなネガティブな詞です。なぜこのような詞を?逆に空に帰りたい鳥の歌ならわかるのに。まあ、それではフツーですけどね。
  鳥を擬人化した曲といえば「ビューティフル・ワンダフル・バーズ」も。アンドレ・カンドレのシングルです。こちらは信号を渡るときなどに思い出すことがある。歩いている鳥のアニメーションを思い描いて笑う。

  井上陽水うたのことば

  
  

投稿者 きさら先 : 17:27

2005年11月12日

井上陽水「小さな手」

 CDアルバム『断絶』(1972年LP)で「小さな手」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。LPのA面5番目で、次がA面最後の「人生が二度あれば」。

  ♪小さな手を見て
  ♪思わず笑う私

 自分の手なのだ、「小さな手」とは。「笑う」といっても自嘲の笑いであり、この主人公にとっては後段で詠うように「悲しい事と同じ」と・・・。歌詞もさみしいがメロディも。アレンジも歌謡曲調。
 ふと、石川啄木の「・・・ぢっと手を見る」を思い出しました。
 タイトル曲「断絶」にある若い情熱や、すぐ前の曲「感謝知らずの女」の皮肉や陽気さはまったくない。
 そして最後の「傘がない」まで改めて一覧すると、井上陽水の最初のアルバム『断絶』は実に多彩なアルバムだったのだと思う。

  ♪この手がすべてをなくしたように
  ♪私もすべてをなくしてゆくのね
  ♪小さな手 

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CDアルバム「断絶」(1972年LP)2001年Limited Edition ポリドール
断絶

投稿者 蒼木そら : 23:55 | コメント (2) | トラックバック

2005年11月07日

井上陽水「ハトが泣いてる」

 CDアルバム『断絶』(1972年LP)で「ハトが泣いてる」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。LP『断絶』のB面の2曲目。

 帰り道の駐車場に、誰かが野良猫に与える餌を目当てに、鳩が何羽かトコトコ歩いている。ククククとつぶやくように鳴いている。

  ♪ハトが ハトが泣いてる
  ♪声が 声が聞こえる

 ずっと「鳴いてる」と思っていたが、「泣いてる」んですね。
 「もうあんな空を飛びたくない」と「地上に降り」たハトのようです。

  ♪ハトはこの世界で生きていたけれど
  ♪涙 流して明日はないと

 折角空を飛べるのに、地上でなんか暮らすからには、それなりの覚悟があっただろうに。意気地のないハトです。都会の鳩を見ているせいか、どうも同情しにくい。
 そういえば、山鳩の鳴き声を久しく聞いていない。

 ハトよ、君はほんとは誰?地上に降りた天使?声を聞いた詩人の想像?
 こんなハトに与えられた、ブラスが入って軽快な曲が楽しい。

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CDアルバム「断絶」(1972年LP)2001年Limited Edition ポリドールhref="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005S77R/opus9-22">断絶


 

投稿者 蒼木そら : 23:12 | コメント (7) | トラックバック

2005年09月16日

井上陽水「家へお帰り」

 CDアルバム『断絶』(1972年LP)で「家へお帰り」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。LP『断絶』のB面は「愛は君」で始まり、この短い曲は5曲目。次がラストの「傘がない」となる。
 つい先日聴いた、これも短い「口笛」ど同じに口笛のメロディがはいっている。こちらは途中にはさまれるのだが。
 2005年5月19日に銚子のコンサートでアンコールの最後に聴いたこの曲を思い出す。ギターの音と、しーんとした空気と、涙ぐむひとたちを思い出す。
 
  ♪さあ 泣かないで
  ♪家へお帰り  
  ♪今日の日は すべてが これで終わった

 コンサートでは、このように聴衆に向けて届く。
 しかし今日わたしが涙するのは、最初のところ。

  ♪子供が道で泣いてる しかられて

 何も悪いことをしていない子供をよく叱っていた、邪険に。怒りの対象はほんとは自分だったのに、身近にいるから、弱いから。逆らいもせず、許してもらうまで外で泣いていたのだろう。
 そして愛してくれていたんだね、こんなわたしを。

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CDアルバム「断絶」(1972年LP)POCH-1571
断絶

投稿者 蒼木そら : 23:15 | コメント (11) | トラックバック

2005年09月15日

井上陽水「もしも明日が晴れたら」

 CDアルバム『断絶』(1972年LP)で「もしも明日が晴れたら」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。ファースト・アルバムの3曲目である。
 残暑残暑と嘆いているが、さすがに風は涼しい。今日の夕刊(朝日新聞東京版)に、白く輝く原一面のススキの写真が載っている。十五夜ももうすぐだ。

  ♪明日 風が吹いてたら
  ♪君をつれて野を歩こう

 野を歩くふたりに、ススキの穂波が似合いそうな。
 この前の曲「断絶」のシャウトから一転、やさしい静かな曲調と歌いように和む。真夏でもない、冬でもない、春よりは秋。

  ♪明日 空が晴れてたら
  ♪時を忘れて話し合おう
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  ♪もしも明日が晴れなら

 秋の天気は変わりやすい。明後日からの三連休は晴れるのでしょうか。

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CDアルバム「断絶」(1972年LP)POCH-1571
断絶

 

投稿者 蒼木そら : 20:24 | コメント (14) | トラックバック

2005年08月31日

井上陽水「あこがれ」

CDアルバム『断絶』(1972年LP)で「あこがれ」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。繰り返すようだが、「井上陽水」としてのデビューアルバム。12曲中の最有名曲は「傘がない」か。『YOSUI TRIBUTE』でははこの曲(UA)のほかに「限りない欲望」もBank Bandの演奏で聴くことができる。
 この春のツアー(井上陽水コンサート2005)では『断絶』からなんと7曲も演奏され、永年のファンを喜ばせた。この「あこがれ」も、銚子会場で歌われた。

  ♪さみしい時は男がわかる

 アルバムの一曲目である。この曲がSingerにしてSong Writer「井上陽水」の第一印象だったのかと、往時を想像する。
 ひそやかな憧れをあらわすようなピアノ(?)のイントロで始まる。
 
  ♪男は強くすべてを悟り
  ♪女は弱く何かにすがり

 これが「つい、あこがれてしまう」男と女の姿だと詠う。現実とは違う姿だから「つい」なのだろう。そういえば、昔住んでいた近所の八百屋さんだって、おじさんのほうが優しくてときどきマケてくれたけど、おばさんはしっかりしていたもの。(例が変!)
 それなら、この歌に詠われている男性像、女性像がほんとうに理想だったのかというと、そうでもないみたいな。こんな姿が世の中で正しいとされているらしいけど、そんなモデルどおりの人間はいないよ、あるいは、深読みすれば、そんなモデルはおかしいよ、ともきこえる。
 性の差がなくなってきている今だから、そんなふうにきこえるのかもしれない。

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CDアルバム「断絶」(POCH-1571) 
CDアルバム「YOSUI TRIBUTE」(FLCF-4038)
断絶YOSUI TRIBUTE


投稿者 蒼木そら : 23:13 | コメント (3) | トラックバック

2005年06月17日

井上陽水「愛は君」

 CDアルバム『断絶』で「愛は君」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。くり返しになるが、『断絶』は井上陽水のデビューアルバム(LP)で1972年に発売された。
 「愛は君」の歌詞はストレートだし曲もシンプルだ。涙も闇もない「愛」の歌。

  ♪愛は空 愛は海 愛は鳥 愛は花
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  ♪君のその手にそっとふれたい
  ♪僕は君だけを愛しているよ

 以前、レイ・チャールズの伝記映画「Ray」で、有名な「What'd I Say」を即興で演奏し歌う場面を観た。音は自然に湧いてくるようだし、言葉も話しているような単純なもの。「I've Got A Woman」も気持ちのままのような歌詞。それが聴衆の心を打つのを観て、歌ってこういうものなのだ、本来、と思った。
 「愛は君」を「I've Got A Woman」(あるは「I Got A Woman」)と比べるわけではない。共通しているのは、愛の歌であることと、歌詞がシンプルというだけ。ただし「愛は君」のほうは、造られたシンプルさだ。

  ♪愛は星 愛は風 愛は僕 愛は君
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  ♪僕のすべてを君にあげたい
  ♪僕はこんなに愛しているよ

 「君」はどんなひとだろうか。「僕」を愛してくれているの?

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 「井上陽水コンサート2005」の全日程25会場のうち6月14日富山県朝日町で19箇所終了し、あと6会場。(少なくなりました。さみしいですね)
 日程と連絡先は「井上陽水公式サイト」のSheduleに載っています。
 6月18日(土)は根室。北海道がそのあと3会場続きます。
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CDアルバム「断絶」(1972年LP)POCH-1571
断絶

 追記です。
 歌詞のことを、ストレートとかシンプルとかばかり書いていますが、後の「畳み込み」の原型でもあるのですよね、多分。

投稿者 蒼木そら : 23:44 | コメント (1) | トラックバック

2005年05月06日

井上陽水「断絶」

 CDアルバム『断絶』(1972年LP)でタイトル曲「断絶」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。
 『断絶』は「井上陽水」名義での初のアルバム。この曲は同じく初のシングル『人生が二度あれば』(1972年:EP)のB面でもあった。
 現在進行中の「井上陽水コンサート2005」に於いて、数会場で歌われている。
 
 この曲はリアルタイムでは知らない。この歌に心から共感するにはトシをとりすぎてから聴いたのだ、残念ながら。

  ♪夜中にデイトした 近くの公園で
  ♪たしかめあっていた おまえと俺の愛
  ♪突然あらわれた おまえのオヤジが
   ♪「私の娘は嫁入り前です
     近所でおかしな噂が立ちます」といった

 「俺」のシャウトが若々しく、大人はわからん!と思う自我を表現している。実にストレートな歌に、共感する若者は多かっただろう。その若者たちもいまはオヤジ。どんな父親になっているのでしょうか。
 
  ♪どうして悪いのだ 愛している事が
  ♪いつでもそばに居て 愛している事が

 世代間の「断絶」はいつもあるし、あるほうがいい。
 物分かりのいい、いまどきの父親母親でも、分からん!と思われているだろう。それが若いということだもの。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 「井上陽水コンサート2005」の全日程25会場のうち昨日5月5日出雲市で6箇所終了し、あと19会場。昨日は”弾き語り!”3会場の初演。
 日程と連絡先は「井上陽水公式サイト」のSheduleに載っていますが、次は5月11日(水)八戸市。東北地方が4箇所続きます。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 「井上陽水コンサート2005」勝手に提案セット・リスト
29 Good,Good-Bye
27 招待状のないショー      28 結詞
25 Final Love Song         26 あなたを理解
23 自然に飾られて         24 能古島の片想い 
21今夜               22 悲しき恋人
19 ワカンナイ             20あかずの踏切り'76
17 移動電話            18 Yellow Night
15 いつもと違った春        16 ライバル
13 青い闇の警告          14 迷走する町
11 白い一日             12 EVERY NIGHT               
9 つめたい部屋の世界地図  10 ラブレターの気分で       
7 青空、ひとりきり         8 嘘つきダイヤモンド       
5 長い坂の絵のフレーム     6 とまどうペリカン         
3 テレビジョン     4 結局 雨が降る         
1 イミテーション・コンプレックス  2 全部 GO 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 何曲叶うかリクエスト。提案曲のイタリック表記13曲が一回でも演奏されれば5点、他の曲は1点の得点とします。何回演奏されても、5点と1点。満点は81点。
 筆者の予想は、7点 です。(4月15日の予想)
 今日までの得点は10点。 得点内容は追記に。
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CDアルバム「断絶」(1972年LP)POCH-1571
断絶
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招待状のないショー            1点
結詞                      1
能古島の片想い              5
嘘つきダイヤモンド             1     
長い坂の絵のフレーム          1   
とまどうペリカン              1  合計 10点   

『カシス』からは、やはり、ないのでしょうか。 
思いもかけない“弾き語り”が主なので、それはそれで本望ですが。 

昨日の出雲では「小春おばさん」や「Fun」も演奏されたらしい!  

投稿者 蒼木そら : 23:49 | コメント (2) | トラックバック

2005年04月19日

井上陽水「人生が二度あれば」

 CDアルバム『断絶』(1972年LP)で「人生が二度あれば」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。「人生が二度あれば」(1972年:EP)は、井上陽水名義での初のシングルで、B面は「断絶」。
 昨日加古川市民会館で歌われたとゆうこの曲も、支持者が多い。

  ♪父は今年二月で六十五
  ♪顔のシワはふえてゆくばかり
  ♪仕事に追われ
  ♪このごろやっと ゆとりが出来た
  ・・・・・・・・・・・・・・・・
  ♪母は今年九月で六十四
  ♪子供だけの為に年とった
  ♪母の細い手
  ♪つけもの石を持ち上げている

 私小説的な歌詞に、つい自分の父母のことを考えてしまう。こんなお手本のような父母ではなかったが。そして、逆の立場に立ついまでは、「子供だけの為に」生きてきたとは言えないわが身を、反省したりもする。

  ♪人生が二度あれば この人生が二度あれば

 しみじみと始まった歌は、こう大きく歌い上げられて心を揺さぶる。
 実は私にとって、この曲はしばしば聴く曲ではない。父母に限らず、失った身近な人の人生を想って、あまりに辛いからである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 「井上陽水コンサート2005」の全日程25会場のうち昨日加古川で2箇所終了しあと23会場。うち3会場では”弾き語り!”
 日程と連絡先は「井上陽水公式サイト」のSheduleに載っています。
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 「井上陽水コンサート2005」勝手に提案セット・リスト
29 Good,Good-Bye
27 招待状のないショー      28 結詞
25 Final Love Song         26 あなたを理解
23 自然に飾られて         24 能古島の片想い 
21今夜               22 悲しき恋人
19 ワカンナイ             20あかずの踏切り'76
17 移動電話            18 Yellow Night
15 いつもと違った春        16 ライバル
13 青い闇の警告          14 迷走する町
11 白い一日             12 EVERY NIGHT               
9 つめたい部屋の世界地図  10 ラブレターの気分で       
7 青空、ひとりきり         8 嘘つきダイヤモンド       
5 長い坂の絵のフレーム     6 とまどうペリカン         
3 テレビジョン     4 結局 雨が降る         
1 イミテーション・コンプレックス  2 全部 GO 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 何曲叶うかリクエスト。提案曲のイタリック表記13曲が一回でも演奏されれば5点、他の曲は1点の得点とします。何回演奏されても、5点と1点。満点は81点。
 筆者の予想は、7点 です。(4月15日の予想)
 今日までの得点は9点。 得点経過(?)は取得日のコメント欄に。
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CDアルバム「断絶」(1972年LP)POCH-1571
CDアルバム「GOLDEN BEST」2枚組(1999年) FLCF-3761
断絶GOLDEN BEST

投稿者 蒼木そら : 22:22 | コメント (10) | トラックバック

2005年03月18日

井上陽水「感謝知らずの女」

 CDアルバム『断絶』(1972年)で「感謝知らずの女」を聴いた。作詞・作曲/井上陽水 編曲/星勝。シングルEP『傘がない』のB面でもあった。
 今日の朝日新聞朝刊の生活欄「ひととき」に「なぜ、そのひと言が」という投稿が載っていた。郵便局の窓口で、急いでいるからと順番を譲ってあげたのに、お礼のひと言もない、という話である。私も似たような経験があるが、比較的若い、それも女性に多い。

  ♪僕はあなたの為に
  ♪すべて忘れて働いた
  ♪絹のドレスも帽子も
  ♪みんな買ってあげた
  ♪だけどあなたは感謝知らず
  ♪感謝知らずの女

 そうそう、うちの奥さんも、とか、母がそうなんです、とか共感の声があがりそう。

  ♪ありがとうとひと言
  ♪なぜ言えないのかなあー

 今日の「ひととき」に書かれた方もそう言っています。でも、こういう女には、彼女を愛する男がいるわけで。

  ♪たとえこの世が終わっても
  ♪僕はあなたを愛すだろう
  ♪しかしあなたはこの愛を
  ♪あたりまえだと思うのだろう

 そうわかっていてなお、「この世が終わっても」と言い切る男。潔いです。演奏も歯切れよく、皮肉の効いた、これもLove Songだ。
 あるいは、反省癖のあるものには、みんなそうなんだよ、と歌っているようにも聞こえる。(決してお説教くさくはないけれど。)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 「井上陽水コンサート2005」勝手に提案セット・リスト
29 Good,Good-Bye
27 招待状のないショー      28 結詞
25 Final Love Song         26 あなたを理解
23 自然に飾られて         24 能古島の片想い 
21 今夜                22 悲しき恋人
19 ワカンナイ             20 あかずの踏切り'76
17 移動電話             18 Yellow Night
15 いつもと違った春        16 ライバル
13 青い闇の警告          14 迷走する町
11 白い一日             12 EVERY NIGHT               
9 つめたい部屋の世界地図   10 ラブレターの気分で       
7 青空、ひとりきり         8 嘘つきダイヤモンド       
5 長い坂の絵のフレーム     6 とまどうペリカン         
3 テレビジョン            4 結局 雨が降る         
1 イミテーション・コンプレックス  2 全部 GO 
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CDアルバム「断絶」(POCH-1571) 
断絶

投稿者 蒼木そら : 23:52 | コメント (7) | トラックバック

2005年03月12日

井上陽水 「限りない欲望」

 CDアルバム『断絶』(1972年)で「限りない欲望」を聴いた。この曲はBank Bandのアルバム『沿志奏逢』(2004年)で櫻井和寿がカヴァーし、『YOSUI TRIBUTE』(2004年)にも入れられている。子供の頃好きだったということだが、シングル発売もなかった曲をよく聞いていたものだ。こういう歌だったのか、と思わせる力唱である。

  ♪子供の時欲しかった白い靴
  ♪母にねだり手に入れた白い靴

 喜んでいつもはいていたが、ある日靴屋さんを見たら、青いすてきな靴が。

  ♪限りないもの それが欲望

 大人になって結婚するときも、そして死に行くときも、僕はそうだ、という内容の詞である。
 道徳的になりがちな題材を、 「僕は」と具体的にうたうことにより、説得力を得ている。

 人にとっても企業にとっても、欲は活力の源だが、往々にして欲自身が力をもって歩き出す。最近のニュースを見て、そんなことを思った。それを制御するのは何だろうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 「井上陽水コンサート2005」勝手に提案セット・リスト
29 Good,Good-Bye
27 招待状のないショー      28 結詞
25 Final Love Song         26 あなたを理解
23 自然に飾られて         24 能古島の片想い 
21 今夜                22 悲しき恋人
19 ワカンナイ             20 あかずの踏切り'76
17 移動電話             18 Yellow Night
15 いつもと違った春        16 ライバル
13 青い闇の警告          14 迷走する町
11 白い一日             12 EVERY NIGHT               
9 つめたい部屋の世界地図   10 ラブレターの気分で       
7 青空、ひとりきり         8 嘘つきダイヤモンド       
5 長い坂の絵のフレーム     6 とまどうペリカン         
3 テレビジョン            4 結局 雨が降る         
1 イミテーション・コンプレックス  2 全部 GO 
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CDアルバム「断絶」(POCH-1571) 
CDアルバム「YOSUI TRIBUTE」(FLCF-4038)
断絶YOSUI TRIBUTE

投稿者 蒼木そら : 23:31 | コメント (1) | トラックバック

2005年01月18日

井上陽水「白い船」

 アルバム『断絶』(1972年)で「白い船」を聴いた。一昨日「傘がない」を聴いたとき、それまで聞き流していたこの曲が気になった。

 白い大きな船が僕の人を乗せて行ってしまう、涙して見送る、という情景を歌った、感傷的な歌詞である。実際にあったことかどうかはわからない。
 3分20秒あまりの整った曲で、女声コーラスで始まり、ピアノが力強く響き、ストリングスが美しい旋律を奏でる。編曲は星勝。

 アンドレ・カンドレとして活動していた陽水は、LPアルバム「断絶」(ポリドール)と先行カッティングのEP「人生が二度あれば」(B面が「断絶」)で、井上陽水として再デビューした。
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「白い船」(作詞・作曲:井上陽水  編曲:星勝)の聴けるアルバム
「断絶」(POCH-1571)
断絶このCDのジャケット(とは呼ばない?)に、サングラスのない井上陽水がいます。

投稿者 蒼木そら : 20:37 | コメント (9) | トラックバック

2005年01月16日

井上陽水「傘がない」

 アルバム『断絶』(1972年)で「傘がない」を聴いた。あまりの有名曲で気がひけるが、こうも冷たい雨の週末では仕方がない。
 同年にアルバムよリカットされたシングル『傘がない』も出ている。B面は「感謝知らずの女」。

 浅間山荘事件の年として記憶されている1972年に出たこの曲は、社会的関心よりも個人の生活へ、のメッセージとして語られることが多い。井上陽水にその意図があったかどうかはわからないが。

 2004年12月24日に放送された「井上陽水空想ハイウェイ Act3」(NHKBS2)は、「YOSUI TRIBUTE」特集のような内容だったが、その中で、UAがこんな内容のコメントを寄せている。

 4年前に「傘がない」を歌ったとき(注1)、あの時代のある一日が自分の中に入ってきた。曲が憑依したような経験だった。
 内容がほとんどドキュメントときいて感動した。

 実体験からできた詩なんですね。それでも私小説っぽくないのが陽水らしい。
 「傘がない」とUAは同じ年生まれという。30年余を経て、歌い手にそれだけの力を及ぼすことに驚く。感じるUAも凄い。

 この曲で、日常的に浮かぶのはこのフレーズ。

♪それはいい事だろ?

 「君の事以外は何も見えなくなる」に続いて、哀しい願いをこめるように歌われるが、私の中ではポジティブな意味合いを持つ。例えば、こんなふうに・・・・。

 冷たい雨の昨日今日、ごろごろと本を読んだり、陽水を聴いたりして過す。
 掃除は?食事は?運動は?という内なるプレッシャーに言うんです。

 「それはいい事だろ?」

(注1)2000年12月 NHK 「ハロー、グッバイ」
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「傘がない」が聴けるアルバム
左「断絶」(POCH-1571) 中央「GOLDEN BEST」(FLCF-3761) 
右「YOSUI TRIBUTE」(UAの「傘がない」)(FLCF-4038)

断絶GOLDEN BESTYOSUI TRIBUTE

投稿者 蒼木そら : 23:28 | コメント (9) | トラックバック