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2012年04月09日
陽水はなにを歌うのか
「アウシュビッツ以後、詩を書くことは野蛮である」
先日の朝日新聞のインタビューで「しばらく歌う気になれなかった」と話す井上陽水が引用していたドイツの哲学者の言葉である。
これを読んでわたしは昨年の秋に聞いた山田太一氏の講演会での話を思い出した。
山田太一氏(脚本家・小説家)はイギリスの作家 E.M.フォスター のこんな言葉を紹介していた。
「いつも戦争があったら文化は必要ない。戦争と戦争の間に文化は作り出される」
極端な状況のときの気持ちのままでは生きて行けない。無力感があっても後ろめたくても、日常に戻って、潤いを求めてもいいのだ。それが文化を生むことだから。
そんな意味合いのお話に気持ちがラクになったものだ。
震災後、アーティストの方々は様々な活動で気持ちを表現していた。その中に陽水の名は見かけなかった。
上記の新聞記事や4月5日放送の「徹子の部屋」(テレビ朝日)を見て、この1年あまりの陽水が、考え、とまどい、重みに耐えて来たのだとわかった。わたしたち一般人と違って表現者である陽水があえて表現しないでいただけに、溜まる重みは大きかったことだろう。
そして“LIVE2012 Hello,Goodbye ”がスタートする。新たな文化が生まれる。
ふたつのメディアでの発言を見るまでも楽しみではあった。バンドのメンバーは?とか、どんなコンセプト?とかの楽しみ。
いまは思う。コンサートで、陽水の心にあるものを受け取りたい。重みなんか感じさせないで、きっと軽々と発せられるだろうけれど。同じ空間で共鳴したい。
初日は4月12日(木) 埼玉県川口市川口リリアホール。
4/17(火)4/18(水) 神奈川県民ホール(横浜市)
4/21(土)千葉県文化会館 (千葉市)
4/26(木)4/27(金)オリックス劇場(大阪市)
投稿者 きさら先 : 2012年04月09日 00:20