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2005年07月13日

井上陽水「海へ来なさい」

 CDアルバム『スニーカーダンサー』(1979LP)で「海へ来なさい」を聴いた。作詞/井上陽水 作曲・編曲/星勝。
 2003年の2月からNHKで放送された『NHKスペシャル~こども輝けいのち』のオープニングテーマとして、聴かれた方も多いはずの曲。

 映画「Dear フランキー」を観た。映画はどちらかというと、大掛かりではないのが好きだ。丁寧に造られた味のあるもの。沢木耕太郎が映画評でとりあげる映画にはそのようなものが多い。この映画も、7月4日朝日新聞東京版の夕刊で評されていた。他の雑誌の掲載でもそうだが、沢木耕太郎の映画評は、かなり内容に踏み込んで書かれる。ストーリーがおおよそわかってしまう場合も。それでも心惹かれて観るわけで、それだけ文章に吸引力があるのだろう。
 スコットランドの港町が舞台で、海の風景が美しい。

  ♪太陽に敗けない肌を持ちなさい
  ♪潮風にとけあう髪を持ちなさい

 主人公は9歳半の男の子フランキー。耳が殆ど聞えないがとても賢い。母と祖母とで何度も引っ越しを繰り返してこの町へ来た。彼は父親に手紙を書く。「あとひとついい話。窓から海が見えるんだ」

  ♪いつまでも 唄える心と
  ♪魚に触れる様な
  ♪しなやかな指を持ちなさい

 フランキーは海の生物に詳しい。地理も得意。父が船乗りで世界中から手紙をくれるから。
 しかし、その手紙は母の創作なのだ。父の暴力から逃げている事実を隠すために、危ういフィクションを懸命に続ける母。
 映画そのものは危なげなく構築されたフィクションで、人物の心理もこまやかに描かれていた。町も入り江も、もうひとりの主人公と言えるほど愛情をもって撮られていて、行ってみたいと思った。

  ♪風上へ向かえる足を持ちなさい
  ♪貝がらと話せる耳を持ちなさい

 声を出さないフランキーだが、貝がらとなら話せそう。いじけもせず、前向きで、優しい想像力を持つ。
 観終わったあとで、この「海へ来なさい」を想った。

  ♪海へ来なさい 海へ来なさい
  ♪そして心から 幸福になりなさい

(聴いてみて! FORLIFE のこちら→Discography→スニーカーダンサー)

「Dear フランキー」2004年イギリス
LE CINEMA Bnkamura
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『スニーカーダンサー』CD:FLCF-3850 『Blue Selection』CD:FLCF-3919
『UNITED TOUR(CONCERT1999~2001)』DVD:FLBF-8561
スニーカーダンサーBlue SelectionUNITED TOUR

投稿者 蒼木そら : 2005年07月13日 23:45

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コメント

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投稿者 2043970 : 2011年05月19日 12:08