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2011年05月07日
読んだ本メモ 2011年3~4月
3月11日以来、本ばかり読んでいる。なぜかわかっている。逃避だ。なるべくテレビのニュースは見ない。悲惨な光景はもちろんだが、“頑張っている”映像もつらい。所詮映像では真の姿はわからない、他所にいるものには。
逃避していても、ふとした文章に喚起されて、しばし想いが飛ぶ、いまの日本に、彼の地の人たちに。自分の中にあるその重みからは逃げられない。
「浮世の画家」カズオ・イシグロ初体験。一人称だが、日本の私小説とはおおいに違う。「私」が不確実。嘘をついているのか記憶違いなのか。細部が詳しいのに大筋で曖昧。すらすら読めるが謎は謎のまま。だけど妙に惹かれる。
主人公の画家は日本人。第二次大戦中と戦後。
「充たされざる者」上 カズオ・イシグロ
何をしにその町へ行っているのだろう、主人公は。下巻を読めばわかるのか。わからなままなのか。
「わたしたちが孤児だったころ」 カズオ・イシグロ
上海
「夜想曲集」 カズオ・イシグロ 短編5編
「モダンタイムス」 井坂幸太郎 もう内容を忘れていた。「検索から監視が始まる」この帯の文句を書いておけば思い出すだろう。「魔王」の続きっぽいって。魔王まだ読んでない。
「SOSの猿」 井坂幸太郎 猿は孫悟空の猿
「矜持」 ディック・フランシス 最後の作 息子との共作。その前のよりは面白い。主人公は元軍人。
この作家とロバート B パーカー が共に昨年(2010年)の初めごろ亡くなり、新作を待つ楽しみがなくなってしまった。
「旅する力」 沢木耕太郎 このひとの文章は読みやすい。「深夜特急」を読み返したくなった。創作の方法を惜しげもなく書いている。
「無名」 沢木耕太郎 父が亡くなるときの話。小説?構成がよい。
「世界は使われなかった人生であふれている」 沢木耕太郎
雑誌暮らしの手帖に連載していた映画評
「血の味」 沢木耕太郎 「無名」のほうが好き
「よろずや平四郎活人劇」 藤沢周平 中巻 下巻 同年代の知人友人がみな藤沢周平がいいと言う。文章がいいらしい。入門編として読みやすそうなのを借りてみたが、失敗だったようで。これでは良さはわからない、多分。図書館になかった上巻はもう必要なし。
3.11以前から読みはじめていたもの
ヘニング・マンケル (スェーデン) ヴァランダー警部シリーズ
「殺人者の顔」 2001 殺された農家の夫婦。妻は「外国の」と言い残して。
「リガの犬たち」 2003 バルト海の対岸ラトヴィアへ行くヴァランダー
「白い雌ライオン」2004 南アフリカ 殺し屋 マンデラ暗殺計画を阻止
「笑う男」 2005 長い休暇中に友人の弁護士訪問、そして殺害される。辞職を思いとどまるヴァランダー。城の中の有力者。
「目くらましの道」上下 2007 読んだはずだが、さて・・・?
「ヴァランダー シリーズ」暗くて寒い雰囲気。ハードボイルドではない。迷ったり後悔したりの警部。
投稿者 きさら先 : 2011年05月07日 23:38