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2008年10月19日
展覧会「百寿を超えて」で奥村土牛を観る
「百寿を超えて」展 山種美術館 2008年9月13日(土)~11月3日(月)
100歳を超えるまで活躍した3人の日本画家、奥村土牛、小倉遊亀、片岡珠子の作品展。
特に奥村土牛の作品が多いときいて、あしを運んだ。夏に長野県佐久の美術館で観て以来、心を惹かれていた。
チケットにもなっている代表作「醍醐」は桜。
京都醍醐の枝垂桜が、太い幹を中心にふわりと垂れ下がる様が描かれている。向こうに白壁がある。写真なら、桜の木を丸ごと写すだろうに、根元から途中までしか描かれていない。がっしりとした幹が花の妖艶を感じさせる。
会場で販売している冊子に、「昭和38年」に見て「写生をし、何時か制作したいと考えて・・」「昭和47年、今年こそと思って」行き制作したとある。10年もの間、最初の印象を温めていることに、画家の心を思った。
NHKの新日曜美術館で取り上げていた「門」も同様、時を経て制作したらしい。姫路城の門のひとつ、「は」の門だという。
門のみを描くのではなく、開いている部分から向こうの土塀をも描いている。古びた木材の様子、外にある塀の屋根など、丹念にリアルに描かれているのに、門の全景はわからない。
この構図によって、とてもモダンな印象を受ける。そんなところが好きなのかもしれない。
購入した「奥村土牛ー作品と言葉」は小さな冊子でたしか何百円かだった。重い図録よりこのような冊子はありがたい。絵は小さいが色はなかなかよいし。
山種美術館は初めて訪れた。九段のお堀も近くいい場所にあった。
地下鉄からの途中に、有名なうつわの店「花田」があり、素敵な器がみられます。
訪問日 2008年10月11日(土)
投稿者 きさら先 : 2008年10月19日 20:23