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2008年09月12日

村野藤吾 建築とインテリア

「村野藤吾 建築とインテリア-ひとをつくる空間の美学-」展 2008.8.2→10.26
松下電工 汐留ミュージアム

  2008年9月12日

  このミュージアムはショールームのあるビルの中にあって小さいが、たびたび足を運ぶ。建築関係の展覧会が多いからだが、もうひとつ、場所が好きという理由も。
  新橋駅からすぐ、都会の中にありながら、このビルと旧新橋駅舎に囲まれた中庭的な空間が気持ちがいい。浅い池もありも樹も植えられていて、落ち着く。今日も、置かれた簡素な椅子にひとびとが坐って涼しい風に吹かれていた。

  村野藤吾(1891-1984)は大きな客船の内装も手がけたそうで、華やかな再現映像が見られる。第二次大戦中に戦艦として使われ2艦とも沈んでしまった。それはそれは贅を尽くした船だった様子、惜しいことです。
  高輪のプリンスホテルや日生劇場など、改めて認識する建物も沢山。建築家としての永い一生の間に、作風が変わって行った様子がわかる。
  たまたま今年、広島の世界平和祈念聖堂(1953)と大阪の新歌舞伎座(1958)は現地で見た。前者は全体的には簡素な印象だが細部に手仕事の趣があり、後者は強烈な外観なのにモダンを感じた。

  最後の作品だという谷村美術館は装飾を廃してシンプル。ゆらぐ曲線が内部へ誘うようだ。新潟県糸魚川市にある仏像のための美術館だという。是非行ってみたい。

  晩年を過ごした自邸は、まるで森の中にある。樹木を選び、手入れを自らされていたという。建物というものの行き着く先はそうなのかと感じ入る。


 松下電工 汐留ミュージアム  月曜休館 一般500円

  次回はアーツ・アンド・クラフツ展 11/8~1/18
  その次(だったと思う)は ヴォーリズ展

  これらも楽しみです。

  

  

  

  

投稿者 きさら先 : 2008年09月12日 22:39